第14章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~安土編②
〈佐助視点〉
信長様にあの提案をするまでには俺も悩んだ。
歴史を伝えてもいいのか・・・、それを伝えても安土の武将達は大丈夫かと・・・
あの事を話した後に信長様に聞いてみた。
「本当にあの提案で大丈夫ですか?」と。
信長様はその時にどこか寂しげだけど、何かを決意したような目で一言。
「構わん。それで歌恋が戻ってこれる可能性があるならそのくらいどうってことない。」
そう言い切った。
この方はそこまでして歌恋さんを愛しているのだと改めて思い知られた気がした。
安土の武将達も歌恋さんが戻ってきたらいつでも祝言挙げられるようにと、戻る確証もないのに・・・。
どこまでこの人達は人情深いんだ!、そして、そこまで思わせる歌恋さんにそれだけの魅力があると言う事を今回の件でもっと分かった気がする。
最後の最後まで互いをかばい続けて、もうダメだと思った時に『愛しています…』それを言えるのはきっとこの2人しか居ないと。
どんなラブロマンスよりも昼ドラよりも月9よりも美しくて壮絶で、切ない…。
これを残そうと佐助はこの2人の事を書き留めていた。
例え、歴史が変わったとしても、これが今の事実ならそれを伝えるのが大事だと思ったからー