第14章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~安土編②
「信長様、これはあくまでも提案なのですが・・・」
「なんだ、申してみろ」
「今この時信長様が生きているという事が、歴史が変わってしまっている一番の変化。ならば信長様を“死んだ”という事にしてはどうでしょうか?」
「本来、俺達が知ってる歴史は【明智光秀が信長様に対して謀反を起こして、それで本能寺で自害した】と言う事なんです。」
「なんだって?!」
秀吉が思わず声を上げる。
「くくっ面白い。俺がお館様を裏切り、お館様がそれで自害するなど・・・」
「ほう、それは面白い。一層の事墓もたてておけば良い」
「若しかしたらそれで歴史的に元に戻るならもしかしたら・・・」
佐助は確信はないが、歴史が変わった事で歌恋さんが強制的に未来へ戻されたのなら、その変えた事実を無かった事にすれば・・・と考えていた。
「良かろう。秀吉、すぐに俺の墓を作っておけ。場所は本能寺の近くの寺にでもしておけ。」
「ですが、お館様!」
「決めたことだ。二言は無い。」
「・・・分かりました。」
「それと、俺が死んだことになったら秀吉、お前にここを任せる。」
「お館様・・・。ありがとうございます!」
「そうと決まったら準備を始めましょう。
次にワームホールが出現しそうなのは三前のワームホールから三ヶ月後」
「後一月もありません。」
「そりゃ大変だ!」
秀吉が急に慌て始める。
祝言の準備もまだイマイチ進んでない。秀吉はそれから慌ただしく様々な準備を仕切り始めた。