第13章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~京都編
京都に戻されてから一月半。
お腹もますます出てきて、胎動も頻繁に感じるようになり、父親の血を強く感じずにはいられなかった。
「ふふふ、やっぱりあなたはお父様似なんだね。」
こっちに戻ってきてから信長に会えない分、お腹の子どもの様子を毎日書き留めていた。
戻れるかどうかすらわからないのに・・・。
コンコンー
「どうぞ。」
「歌恋。今日は天気も良いし、散歩にでも行ってきたらどう?」
先週の検診で少し動いた方が良いと言われた事を思い出した。
「うん、そうだね。ちょっと歩いてくるよ。」
携帯と、財布、それと信長の着物の切れ端で作った小さなお守り、それらを持って散歩に出かけた。
“本能寺跡にとりあえず行ってみよう・・・”
それだけしか考えられなかった…。
歩くこと十数分。雪が溶けないでまだうっすら残っていた本能寺跡の石碑。
半年前にはここで信長が自害した場所と看板には書かれていたが、
【最近の研究によって信長はここで自害はせずに生き延びたと言われている】と・・・。
「えっ?嘘・・・。」(歴史が変わってきてる・・・。)
その足で織田信長の資料を求めて図書館へ行った。
そこには信長とタイムスリップする前の日に約束したが果たされていた・・・