第11章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~安土編
謎の渦を巻いた雲の様なものが迫ってくる
ーゴゴゴゴゴ・・・、ドォォォォォォ・・・、
信長と歌恋に向かって迫って風が吹き、信長と掴んでいた手を離されそうになった。
「信長様ー!」
「歌恋ー!」
かろうじて繋がっている手を振りほどこうとするかのように、風は容赦なく向かってきた。
「あっ・・・信長様・・・!
「歌恋・・・!」」
僅かに繋がっていた手が解かれだんだんと二人の距離が離れていく。
「ヤダ・・・、信長様・・・!」
必死に手を伸ばすも歌恋1人だけが渦の奥へと吸い込まれる。
その時一瞬信長が歌恋に近づく。
すると歌恋は信長の顔に手をやり口付けを交わした。
涙を流しながらも、笑顔を見せた。
「愛しています…」と。
その言葉を言い終わると同時に一瞬にして渦はなくなり、地震のような揺れも収まり金縛りにあっているかのような物がなくなり何事も無かったかのように収まった。
「歌恋・・・、守ると約束したのに・・・」
信長が歌恋が居なくなった方を、見てぽつりと呟いた。
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安土編ー終ー