第11章 叶わぬ思い~離れていてもあなたを愛しています~安土編
「歌恋俺の側を離れるでないぞ。」
歌恋を腕の中に閉じ込め、見えないなにかに恐怖を感じながらも必死に信長にしがみついていた。
雷の音を聞き武将達が広間へと戻ってきた。
「歌恋大丈夫か?」秀吉が一番に戻り歌恋が居るかを確認する。
「歌恋は無事だ。」
信長が、秀吉に無事を伝える。
その頃外では季節外れの大雨が降り出し雷も頻繁になり始めた。
「不味いです。もうすぐワームホールが現れます。」
佐助がどこからともなく現れた。
「できるだけ窓の無いところ、外が見えないところへ・・・」
「分かった。」
広間の上座の奥へと信長は向かった。
信長が動き出した時だった…
ゴゴゴゴゴ・・・、ドォォォォォォ・・・
安土城が激しく下から突き上げるように揺れ始めた。
「なんだ?地震か?」
地面からものすごい音がし、政宗や三成達が歌恋の元へ向かおうとするのを阻んだ。
「キャー」
地震の様なそうとも言えないようなものすごい揺れに見舞われ、歌恋が悲鳴をあげた。
すると大広間の中央に不思議な現象が起き始めた。渦を
巻いた雲の様な物がハッキリと歌恋達に向かって迫ってきた。
「信長様、歌恋危ない!」
家康が気づき声をあげるも届かない・・・。
「やめて・・・、来ないでー!」
信長と歌恋に向かって強い風がせまり、信長から離れそうになり、声を張り上げるも容赦なく向かってきた。