第10章 僅かな変化~身体と、時と、心~
佐助が去った後歌恋は放心状態だった。
ー歴史を変えた事で何らかの力が働いて、私とお腹の子どもの命を狙っているー
そして、最後に「恐らくそうした後に歴史を変えた事を元に戻そうとするなら信長様も亡きものにするかもしれない」
そう言われた事が頭から抜けずにいた。
その時ー
「歌恋様、いらっしゃいますか?」
三成の声が聞こえてきた。
「うん、いるよ。」
「失礼します。」
そう言って三成が天守の襖を開け、信長様が皆に話しがあるから広間に集まるようにと呼びに来てくれた。
「分かった。すぐに支度して行くね」
「歌恋様なにかあったのですか?顔色があまり良くありませんが・・・」
「そ、そうかな…きっと影でそう見えるだけだよ!さっ、いこう!」
三成に気づかれないように誤魔化し、広間へと向かった。
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広間に着くと、武将達は揃っていて、信長に隣りに来るように言われた。
「歌恋、お前はここに座れ」
「えっ?信長様のお隣ですか?」
「そうだ。これから話すことは他でもない俺達の事だからな。」
「わかりました・・・。」
(信長様の隣りとか緊張するな・・・)
「良し、歌恋も揃ったな。今日は他でもない歌恋が俺の子を宿した。」
「暖かくなったら歌恋と祝言を挙げる。」
「子は夏前位に産まれる予定だ。」
「以上」
「歌恋よかったな!」
秀吉は何とも言えない表情をしてるが、涙を流して喜んでくれた。
「くくっ、お前が母親か・・・まぁ良い。」
光秀は喉を鳴らして笑うも、優しい表情で見つめていた。
「だから、最近食欲無かったのか!でも、ちゃんと食べないと腹の子が育たないからちゃんとだべろよ!」
食べれる物を作ってくれると約束してくれた政宗。
「まぁよかったんじゃない。」無理だけはしないでよね。」
素っ気ない言葉とは裏腹にいつも気を使ってくれる優しい家康。
「歌恋様!おめでとうございます!きっと可愛らしい子が産まれてくると思いますよ!」
エンジェルスマイルで心から喜んでくれる三成、、
「みんな・・・ありがとう。」