第5章 風車小屋に隠された秘密〜ダリ村〜
仕度を整えた私は、さっそく村を見て回るぞ、と意気揚々宿を飛び出した。
ちなみにフロントを抜ける時モーグリと喋っていたビビに手を振ると、遠慮がちに振り返してくれた。
かわいい。
外に出て改めて村を見てみると、カラカラと風車が回っていたり、ドーム型の建物には地面から伸びた蔦が絡みついていたりして、牧歌的な雰囲気がなんとも素敵。
昨日到着したのは夕方だったから、昨日とは違った景色に見えるのもまたいい。
村の大通りに敷かれた石畳を元気そうな子ども達がキャーキャー言いながら走っていく。
そんな彼らが通りすぎた後、目の前の建物に提げられた看板が目に入った。
「ショップだって、お店かな?」
『行ってみましょう』
カランカランと鈴の音を鳴らし、木製の扉を開けた。