第1章 はじまり
『わたくしのことは、ガーネットと呼んでください』
ガーネット、か。大人っぽいガーネットさんを呼び捨てとか、少し照れくさいな。
でもこれからずっと一緒だもんね。
うん、よろしく、ガーネット。
『ではわたくしのことを、色々お教えしなくてはなりませんね』
そうだった。
私はこれから彼女の代わりにガーネットとして生きていかなきゃいけないのだ。
ああ、大人っぽいガーネットの代わりなんて、出来るかなあ。
そして、私はずっと気になっていたことがあった。
もしかしてガーネットって、かなりのお嬢様?
『……実はわたくし、この国の王女なのです』
と、衝撃の告白。
ええっ!!
位が高そうだとは思ってたけど、まさか王族だとは。昨日の兵隊さんや、美人な剣士さんが朝食を持ってきてくれたことにも納得だ。
ますます、私で代わりが務まるのか、かなり心配だけど。
『それから、わたくしにはやらなければならないことがあって……』