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王女様に祝福を【FFIX】

第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜




そうか……
 
 
納得すると同時に、ひどい脱力感に襲われた。
 

『なにがきっかけかはわかりませんが、身体の主導権がわたくしに戻ったようですね』
 
 
そうか、そうなのか。
 

ほっとするような、そんな広がる安心感に身をゆだねた。
 

『よかった、ガーネットに身体を返せたんだ』
 
 
なんで戻ったのかはわからない。
 
でも始まりもそんな感じだった。
 

わけがわからないまま、ガーネットの身体を奪ってしまった。
 

これでよかったんだ、そう思う。

 
「……ガーネット?」
 
 
ジタンが顔を覗き込んできた。
 

「は、はい、なんでしょうか?」
 
 
ちょっとの驚きが伝わってくる。
 

「いや、ぼーっとしてたからさ……本当に大丈夫かい?」
 
「……ええ、心配おかけしました。もう大丈夫です」
 
 
ガーネットがふっ、と短く息を吐き出した。
 

ああ、この身体の一挙手一投足を感じる。
 

それだけじゃない。

 
身体のパーツが動く感覚だけじゃなく、ガーネットの心から滲み出る感情まで、手に取るように分かる。
 

そうか、ガーネットは今までこんな感覚だったんだ。
 

「さあ、先を急ぎましょう」
 
 
ガーネットがそう声をかけると、ジタンは心配そうな顔をしつつも一つ頷いて、先頭を歩きだした。
 
そして他の面々、ガーネットもそれに続いた、はずだった。

 
ズゴッ!!
 
 
足がもつれなければ。
 

「姫さまーーー!!」

 
頭から思いっきりずっこけて、ぶつけた所がズキズキ痛い。
 

なるほど、ちゃんと感覚も共有されてるわけね……。

しっかり痛いじゃないの。


そう改めて確認しながら、私は気を失った。





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