第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜
それから焼けた肉を皆で頬張り、お腹も膨れた所でモイスとはお別れになった。
「手紙、頼んだで!!」
「うん!」
モイスから言い渡されたお使いにビビが意気込む様はかわいくて、ほんわかした気持ちでやり取りを見つめる。
「じゃあ世話になったな」
「おう、気が向いたら、またいつでも来いや!」
そんなモイスの声を背に、私達はホールを後にした。
そして再びやってきた分かれ道。
吹き荒れるブリザードに視線をやる。
この道を入っていくのか……。
誰もが足を踏み入れるのにためらっていた。
「モイスが言ってたんだけど、こっちに行けば洞窟を出られるって」
ビビが指さすのは、もちろん冷たい風がびゅうびゅう吹く道。
しかし使命を背負ったビビは一味違うみたいで。
「きっと出口はもうすぐだよ!」
そう言って、いっそう凍えるような道へと一番に進んでいった。
すごい、ビビが頼もしくなってる!
約束が男を強くするって、きっとこのことだね。
「……俺達も行くか」
私達も顔を見合わせ、ビビの後に続いた。