第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜
「どうかしましたか?」
もしかして怪我でもした!?
私がロッドを強く握ると、ビビは首を振った。
「ボクの魔法、このモンスター達と相性がいいみたいで……だから全体にファイアを出して、その隙に皆で駆け抜ければどうかなって……」
モジモジと説明するけど、その内容はなかなかよさそうで。
「それはいいかもしれません!」
「じゃあ魔力を溜めるから、少し待っててね」
構えた杖に光が生まれ、ビビのかぶっているとんがり帽子が僅かに揺れだした。
徐々に光は大きくなっていき、魔力が溜まっていくのが分かる。
やがて輝きはいっそう強まり、そろそろ頃合だと思い私は声を張り上げた。
「ジタン、スタイナー、少し下がってください!!」
私の声に二人は即座に反応してくれて、サッと身を引いた。
それと同時に、ビビの掛け声が響く。
「ファイア!!」
ボァッ!!
広がる炎がモンスターに絡まっていく。
そのうねるような炎に少しの間見入ってしまったが、すぐにハッと思い出して、近くにいたジタンの腕を取って私は走り出した。
「皆さん、今のうちです!!」
「えっ、ガーネット!?」
炎にのたうち回るモンスター達の間を走り抜ける。
驚いていたのもつかの間、足の速いジタンがすぐに私を追い越して、逆に手を引っ張られた。
後ろからもガシャガシャと聞こえるので、スタイナー達もついてきていることだろう。