第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜
さっきまで洞窟内をきょろきょろと見ていたビビが、洞窟の奥に向かって指をさす。
「ん? あれは……」
「モンスターの群れ!! 姫さま、後ろにお下がりください!!」
ぐねぐねとした黄色の波が、通路の奥から押し寄せてきていた。
波の所々がエメラルド色に光っている。
よく見るとそれらは一つ一つがスライムのような黄色のモンスターだった。
光っていたエメラルド色は、それぞれに二つ付いている瞳の色だ。
『すごいですね……あれは、プリン? あんなにたくさんの群れなんて、初めて見ます』
なんて、感心してる場合じゃないみたいだよ、ガーネット!
次から次へと溢れるプリン達は、ジタンとスタイナーが剣で斬っても斬ってもキリがなくて。
彼らは次第に押されていく。
「どうしたら……このままだと押し負けてしまいますね」
何もできないのが歯がゆい。
ジタンとスタイナーが剣を振っているのを、見ることしかできない。
私にも戦う力があれば……
ぎゅっと掌を握っていると、二人の後ろで対処されきれなかったモンスターを相手どっていたビビがこちらに戻ってきた。