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王女様に祝福を【FFIX】

第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜




『トレノはアレクサンドリア領にある大きな街ですよ』

「へえ、ビビってトレノの近くに住んでるのか」


ガーネットとジタンの声が重なった。

そっか、トレノはアレクサンドリア領の街。

ああ、なんか思い出したかも。

そういえば、ガーネットに習った気がする。


「じゃあ、オレ達の劇を見に来たんだな!」

「うん……だけど、劇のチケットがニセモノだったみたいで……」


前を歩くジタンが振り向いてニヤリと笑った。


「ははーん、それで城に忍び込んだわけか。ビビもなかなかやるじゃねえか」

「なんと! まことですか、ビビ殿!」

「えっと、あの……ごめんなさい」


しょんぼりと肩を落とすビビに、スタイナーはさらに続ける。


「チケットがニセモノだったからといって、城に忍び込んでいい理由にはなりませぬぞ! それでは彼奴のような盗賊と同じこと! 入れないのならば、諦めるのが筋というものです」


さらに肩を落とすビビ。

ジタンの後ろ姿も心なしかムッとしている気がする。

確実にジタンの心を逆撫でていくスタイナーに、私は口をはさんだ。


「まあ、もういいじゃないですか。過ぎたことです」

「しかしっ!」


憤るスタイナーを抑えつつ、横でしょんぼりしているビビの手をぎゅっと握った。

私は王女スマイルで笑いかける。


「もうしなければよいのです」

「……うん! ボクもうしないよ!」


澄んだ瞳でコクリと頷くビビ。


きゅん。

この素直さやばいな。

すごくかわいい。

抱きしめて頭ナデナデしてあげたいかわいさだ。


「おっと、そんなことより、モンスターのおでましみたいだぜ?」


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