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王女様に祝福を【FFIX】

第4章 霧の上へ〜氷の洞窟〜




「なんだか少し寒いね」
 

隣を歩くビビはそう言って、腕をさする。

霧のせいで湿った空気が服を濡らすのだ。


そういえば私毛布持ってるな。

一枚だけだけど。


「大丈夫ですか? 毛布ありますけど、使いますか?」

「えっ、ううん! 大丈夫! お姫さまが使って!」


ビビは慌てて首をぶんぶん振ると、すぐに顔を前に戻した。


……なんか壁を感じる。

ガーネット姫だから?

少し寂しい。


せっかく一緒に旅をするんだから、もっと仲良くなれるといいんだけど。

考えてみれば、皆のことって全然知らない。

スタイナーはまだしも……ビビやジタンはどんな人なんだろう。


ジタン……はやっぱり盗賊なのかな?

ガーネットのことを誘拐しようとしてたみたいだし。


ビビにいたっては全く分からない。

そもそもなんで舞台上にいたのかも知らなかった。

謎に包まれている。


隣をとぼとぼと歩くビビの姿をチラリと見た。

大きなとんがり帽子が愛らしい。


「あの……ビビはアレクサンドリアに住んでいるのですか?」


私の質問が唐突だったのか、ビビはこちらを向くとその金ピカの瞳をぱちくりとまたたかせた。

それからゆるりと首をふる。


「ううん、ボク、トレノの近くに住んでたんだ」


ビビは若干困った表情を浮かべながら、そう答えてくれた。


トレノ。

なんか重要っぽいワード出てきた。

えーっと、なんだったかなあ。

聞いたことはあるんだけど。


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