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王女様に祝福を【FFIX】

第3章 落ちた劇場艇〜魔の森〜




ムッとしたスタイナーは、再びジタンに詰め寄る。


「貴様とて知っておろうが、この“霧”の呪われたいわれを!! この“霧”特有のモンスターを! 心身に異常をもたらすという話を!」


えっ、なにそれ怖い。

確かにこの辺りには薄く霧がかかってる。

だから視界もあんまり良くないし、なんだか不気味な雰囲気が漂ってるけど……

そんな呪いとかあるんだ……


「姫さま、このような危険な場所からは、一刻も早く離れるべきであります」


私が答えるよりも早く、ジタンがスタイナーへと食ってかかった。


「無茶言うなよ、おっさん! 目が覚めたからって、まだ彼女の体力が回復したわけじゃないんだぜ」

「貴様の意見など聞いてはおらん!!」

「どこから“霧”の上に出るつもりなんだ? この一帯は高い崖に囲まれた低地だろ? 南ゲートと北ゲートのアーチも今は閉鎖されてるって聞いてるぜ?」


ぐっと言葉を詰まらせるスタイナー。


「あて、ないんだな?」

「うぐぐ……」

「姫は歩けないほどに弱っているんだ、おっさんだってフラフラだったろう? あてもなく出発するのはかえって危険なんじゃないか?」

「貴様の指示は……」

「スタイナー! ガーネット姫を守るのは誰のつとめだ!?」

「それは当然、王宮騎士の自分であるっ!! クッ、仕方ない……姫さまのお体が回復するまで、ここはこのスタイナーが守るっ!!」

「それじゃ、よろしくさん。オレ達は上へ出る方法を考えようぜ」


くるりと身体を反転させたスタイナーに対し、こちらにやってくるジタン。

背中を向けてしまったスタイナーはピクリとも動かないし、焚き火の側にどっかりと座ったジタンは少し気が立っているように見える。


んー、なんだかこの二人、相性悪い?

スタイナーはともかく。

ジタンでもイラついたりすることってあるんだね。

今まで彼の飄々とした態度ばかり見てきたから、ちょっと意外かも。


でも当たり前か。

ジタンだって多分私と同い年くらい。

イラつくことだってあるだろう。

それでも、ジタンはどこからか地図を取り出すと持ち前の明るさに戻って喋りだしたので、私は感心した。


それからは私達三人で霧の上に行く方法をあれこれと話して、夜はふけていった。


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