第3章 落ちた劇場艇〜魔の森〜
ジタンside.
オレは、スタイナーとビビをなんとか引きずって、いまだ煙の上がる劇場艇へと戻ってきていた。
というのも、おっさんとビビがモンスターとの戦闘で毒をまともにくらってしまったのだ。
仲間のブランクによると、薬を飲めば大丈夫とのことだったため二人のことはそこまで心配していない。
問題はガーネットだった。
檻のようなモンスターに捕まった彼女は、オレの目の前で連れ去られた。
おそらくあのモンスターは遣いで、ガーネットは主の元に運ばれていったのだろう。
ぐずぐずしちゃいられない。
今すぐにでも助けに行かないと。
そんな思いで、オレはボスの元へ提案しにいったんだ。
「そいつぁ無理だ……」
開口一番、ボスは首を振ってそう言った。
「おまえも見たろ、船の周りは霧から生まれたバケモノだらけだ」
「あんなヤツらなんてことない。オレ達がそろっていけば平気さ!」
「それはそうかもしれねえ。でもケガ人はどうするんだ?」
「一緒につれてきゃいいだろ?」
「そんじゃあ、襲われたときに動きがとれねえで、やられちまうぞ」
ボスの言うことは正しいのかもしれない。
それはオレにも理解できた。
「ガーネット姫にゃ気の毒だがよ、しかたねえ、仲間の方が大切だ」
理解はできても、納得はできない。
「ちきしょうっ……」
「ケガ人がみんな回復するまでタンタラスはここで待機すんぞ!! 身勝手な行動は許さねえっ!!」
「女を見すてるなんて、見そこなったぜ!」