• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第2章 家出騒動




「おい、おまえ、ダイジョウブか!?」


目の前で座りこんでいる、男の子かな、大きな帽子をかぶった子どもにジタンが声をかけた。

いかにも魔女がかぶっていそうなとんがり帽子を被っている。

ものすごく魔法使いっぽい。


この子が私に火を放ったのだろうか。

だとしたら一言もの申したい。


「う、うん、ちょっとコケただけ……」


転んだ拍子にズレたのか、その男の子は帽子の位置を直しながら立ち上がった。

今までは大きな帽子のつばで見えなかった、その顔が覗いて私は驚く。


その子には顔がなかった。

別にホラー的な意味じゃない。

顔に黒いモヤがかかっていて、そこから金ピカな二つの瞳だけが光っているのだ。

まあ、この世界には異形の人なんて溢れるほどいるので、この男の子の顔も種族的なものなんだろう。

ただ初めて見たから、少しびっくりした。


「えええいっ! 姫さま、覚悟なされい~っ!」


私を連れ戻すことに執心なスタイナーが飛び跳ねたみたいで、ガシャリガシャリと彼特有の鎧が擦れ合う音が後ろから響く。

男の子に向いていた意識は、スタイナーへと戻った。


スタイナーはすでに剣を抜いていた。

ジタンも私達の前に出て、ホルスターからダガーを取り出す。

向かい合っているのは、スタイナーとプルート隊員二名の、計三名。

緊張がはしる中、最初に動きだしたのはスタイナーだった。


鋭い騎士剣はジタンの短剣に受け止められる。

その横から飛び出たプルート隊員も、さっきまで主役を演じていたマーカスが止めたけど。

相手はもう一人いる。


最後の一筋は、後方で様子を見ていた私と男の子の所まで迫ってきていた。


「ガーネット姫!!」


ボワッ!

男の子の手のひらから炎が飛び出て、迫ってきていたプルート隊員に直撃。


やっぱりこの子、魔法使いだったんだ!!

プシューと煙を昇らせる隊員は、なにやら捨て台詞を吐いて去っていった。


「貴様、それでもプルート隊員かっ!」


ギリギリとつばぜり合いをしているスタイナーがゲキを飛ばすけど、その甲斐もなく。

もう一人のプルート隊員もマーカスによって追い払われて。

残すところ隊長だけとなったスタイナーに、ジタン、マーカスから攻撃が入って、スタイナーは膝をついた。
 

/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp