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王女様に祝福を【FFIX】

第15章 ライバル宣言~マダイン・サリ~



ジタンside.


「もしかして、レイナってクジャの妹なのか?」

「…………いもうと?」


素っ頓狂な声がレイナから返ってくる。

心底驚いたような、そんな声だった。


「妹? 私がクジャの?」


思ってもみなかったというような反応に、違ったかとオレは頬をかいた。

お互いの見た目が似てることを気にするなんて、まるで仲の悪い兄弟みたいだなと思ったんだけど。


「見た目が似てるっていうから、もしかしてって思ったんけど……違ったみたいだな」

「私がクジャの妹だなんて、違う……と思う……」


と思う?

勢いよく否定していたレイナの言葉が徐々に弱まる。


「あれ? もしかして、そうなのかな」


果てには首を傾げて本気で悩んでいる様子のレイナ。

え、どっち?


「私とクジャの関係って難しくて……ごめんね、いつもちゃんと答えられなくて」

「オレは気にしないけど……レイナも色々たいへんだな」


レイナはいまだにうんうん言っている。

本気でクジャとの関係に頭を悩ませているらしい。


「うーん……なんなら親子って可能性もあるかも……」

「え!? 親子!?」

「いや、それは違うか」


なんとも要領を得ない反応にオレはますます首を傾げる。

レイナも色々ふくざつなんだな。

クジャが兄なのか、親なのかはっきりしないってことは、レイナも自分の出生を知らないのだろうか。

オレと同じで。


誰に愛され、どこから来たのか、オレは知らない。

覚えているのはまぶしいくらいの青色だけ。


オレはどこか彼女に親近感を感じたが、しばらくするとレイナは答えが出たようで改めてこちらに視線を向けた。


「やっぱり私はクジャの妹じゃないよ。だって私にはちゃんとお兄ちゃん、いるから」

「……へぇ、そいつも銀髪なのか?」

「ううん、普通に黒髪……あ、黒髪も別に普通ってことはないか。でもまあ、髪色は違うよ」


レイナの表情が柔らかくなった。

そうか、レイナにはちゃんと兄貴がいるんだな。

きっと仲のいい兄弟なんだろう。

彼女の顔を見ていれば、そのことがわかった。

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