第15章 ライバル宣言~マダイン・サリ~
ジタンside.
「レイナはそのネックレスを捨てたいの?」
「う〜ん、捨てたいというか……捨てた方がいいのかなって思ってて」
捨てたほうが良いなんて、よっぽどの事情がそのネックレスにはあるんだろう。
ふと思いついたことがあって、オレは口に出してみた。
「捨てた方がいいって……もしかしてそのネックレス、呪われてるアクセサリーとか?」
付けていると能力が下がる戦闘に不向きなアクセサリーがある、なんて昔どこかで聞いたことがある。
もしかして彼女のネックレスもその類なのかと思い尋ねると、レイナはぱちくりと数度まぶたを動かしてから、ぷっとふきだした。
「あはははは!! 呪われたアクセサリーって! ふふ、その発想は思ってもみなかったな~」
こんなに思いっきり笑ってるレイナを見るのも珍しい。
まさかここまでウケると思っていなかったので、思わずオレまで目をぱちくりさせてしまう。
何が彼女の琴線に触れたのかはわからないけど、、
(やっぱ笑ってる顔が一番いいな)
目の前で笑う彼女を見て、オレも一緒に笑った。
ひとしきり笑い終えたのか、は~と息を吐きだすとレイナは改めてこちらに視線を向けた。
「この世界にも呪いとかあったりするんだ?」
「ん? あぁ、オレは見たことないけど、昔そう言う話を聞いたことがあってさ……でもその感じだと、レイナのは違うんだな」
「うん。今のところ呪いの被害にはあってないかなぁ」
「そっか、まあ、そのネックレスにどんな事情があるのか知らないけどさ、悩んでるうちは無理に捨てなくてもいいんじゃないか?」
「……そうなのかな」
「ああ、ぶっちゃけ捨てるのもったいないぜ。レイナにすごく似合ってるしさ!」
「そう、かな? …………うん、そうだね……そうしようかな…………ありがとジタン」
落としていた視線をこちらに向けると、レイナは柔らかい笑みを浮かべる。
ふわりと彼女の銀髪が夜風になびいた。