第15章 ライバル宣言~マダイン・サリ~
「エーコも召喚魔法使えるの!?」
「まぁね。でも、ダガーも使えるんでしょ?」
当たり前でしょ、とでも言いたげなエーコは驚いている私たちを不思議そうな顔で見ている。
「普通は呼べないぜ……っていうかエーコは昔から呼べたのか?」
「そりゃそうでしょ? エーコのおじいちゃんもみんなも呼んでたよ」
どういうこと?
驚いて言葉を返せないでいると、エーコが瞳を輝かせた。
「もしかしてジタン、エーコに興味わいた?」
「ああ、興味深々だな」
頷くジタンを見て、ガッツポーズをして飛び跳ねるエーコ。
そして私の方を向いて、ニヤリと口角を上げる。
ん?
なんか、ドヤ顔された?
ふと、視界に映るダガーが神妙な面持ちをしていることに気づいた。
それもそのはず。
ダガーは自分が召喚士の力を持っていることに長い間悩まされていた。
他にも使い手がいるとは思っていなかったのだから、エーコが召喚の力をもっていた衝撃は人一倍だろう。
ダガーが何か言おうと口を開く。
けど、それよりも早くエーコが楽しそうに言葉を発した。
「エーコの家はあっちなの!」
はやく行こうと急かすエーコに、皆も頷き合う。
召喚魔法について聞くのは、エーコの家に着いてからでも遅くはない。
むしろ、エーコの家族にも会って話を聞いてみた方がいいかもしれない。