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王女様に祝福を【FFIX】

第14章 仲間になるために〜コンデヤ・パタ〜



色々あった神聖の儀だったけど、なんとか終わりをむかえ。

その後新婚のあいさつ回りをするとかで、私とジタンはアイテム屋の近くの関所にやってきていた。



のだけど……。


「なんだか騒がしいな」


神聖の儀が終わった途端いつもの調子に戻ったジタンが、前方を見やってからこちらを向く。

アイテム屋で店番をしていたらしき女店主が肩をいからせて何か喚いている様子。

え、なに、喧嘩?


「まーたあの二人組だド!」

「何かあったんですか?」

「どろぼーだド! ちっこいのとふわふわしてる二人組で、たまにあっちから来ては商品を盗んでいくんだド!」


店主が指をさしているのは……聖地がある方?

あれ? あっちって人は入っちゃいけない決まりなんじゃ……。


「あいさつどころじゃなさそうだな」

「だね。どうしよう、行ってみる?」

「そうだな」


いつもはいるはずらしき双子の門番さん達も見当たらないし関所をこそっと通らせてもらうと、少し進んだ場所で双子らしきドワーフが向こう岸を見つめて佇んでいる。


「あの、どうしたんですか?」


二つの背中に話しかけると、右に立っていたドワーフが振り向いた。


「ああ、神聖の儀を受けてた二人ドね。どろぼーに逃げられてしまったド」

「……追いかけないんですか?」

「この先には行けないオキテだド……」


ドワーフの人たちにとって、あちら側に入らないという掟は絶対らしい。

一本の太い根っこのみが続く先にある向こう岸を見つめるだけで、その先に進もうとは思わないらしい。


「この先って人が住んでんのか?」


ジタンもやっぱり気になっていたらしい。

質問に対して、ドワーフの片割れはうーんと唸る。


「そんなハズはねえだドも……」

「あのちっこい二人組は何回か食べ物盗みに来てるだド」

「へえ……」


やっぱりこの先に認知されている村があるわけじゃないんだ。

少し考え込むようにジタンが相槌をこぼしている。

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