第14章 仲間になるために〜コンデヤ・パタ〜
えっと……誓いの言葉を言うんだよね。
何て言おう。
悩んでいると、先にジタンが口を開いた。
「どんな時でもレイナを守ると誓うぜ」
少し首を傾け、気負う様子もなくジタンから紡がれた言葉は、決して強がりなどではないんだろうなと思えた。
どんなモンスターをも倒してしまう彼の強さを私は知っている。
「……私も、どんな時でもジタンの味方であると誓います」
まだジタンのように守ると宣言することはできないけど。
私だって皆の味方でいたいという気持ちだけは揺るがない。
私がへへっと笑ってみせると、ジタンも同じように笑い返してくれた。
何となく暖かな空気に包まれていると、その空気を凍りつかせるような言葉が神主様から飛び出た。
「両者の言葉に嘘偽りがないことの証明として、神々の御前にて誓いの口づけを交わすド」
…………ん?
まるで当たり前のことであるかのように神主様が「二人とも一歩ずつ近づくド」なんて言っているけど、ちょっと待ってほしい。
え、神聖の儀って、キスもあるの?
確かに結婚式といえば、誓いのキスを最後にするのがセオリーだけども。
助けを求めるように視線を上げると、同じようにジタンもおろおろと首を動かしていた。
「ジタン……えっと、どうしよう……」
「どうしようって……なにが?」
「だから、誓いのキス!」
「ああ、キス! ……そりゃもう、レイナがあっつ~いのをお求めなら、オレもやぶさかじゃないけど」
「もう! こんな時に冗談言わないで!」
お互い一歩ずつ近づいたのを良いことにこそこそ話し合っていると、神主様のごほんというわざとらしい咳払いが聞こえてきて二人してびくりと肩を跳ねさせる。
改めてジタンの顔を見返すと、カカーっと自分の顔が熱くなるのを感じたので、耐えきれず目を閉じた。
き、緊張する……。
そっとジタンが私の肩に手を置いたと思うと、触れたか触れないかわからないくらいの感触が口のすぐ横にふわりと落ちてきた。
きゅっと閉じていた目を開けると、目線を逸らしたジタンの横顔。
あ、ジタンの耳も赤くなってる。
きゅん。
胸の奥で変な音がなった。