• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第14章 仲間になるために〜コンデヤ・パタ〜



私の額に置いていた濡れた布の水を変えてくれると言って、ダガーが席を外すと手持ち無沙汰になって。

私はそういえばと話を切り出した。


「向こう側には行けそう?」

「それがな~、通れそうにないんだ」


腕組みをして唸るジタン。

それは困った。

だって私達の目的地はコンデヤ・パタを挟んだ向こう側。

唯一の懸け橋であるこの場所からでしか、向こうに渡ることができないのだ。


「なんとか頼みこんで通らせてもらえないかな」


もしくは、いつかの脱出劇のように多少の無理を通してしまうか。

私の少々物騒な考えは、次のジタンの言葉であっさりと引っ込んでいった。


「ここの決まりみたいで、ナントカっていう儀をしたら特別に通れるらしいんだけどさ」

「あ、通る方法あるんだ」


なんだ。

だったら、その儀式さえしちゃえば。


「でもそのナンタラの儀ってのが、なんなのか……」

「あんたら神聖の儀を受けるドか?」


前掛けをつけた快活そうな女性が、私達の話を聞いていたのか突然話に入ってきた。

緑の肌に小ぶりな背丈。

この里に住むドワーフたちは皆そんな容姿をしているので、彼らの特徴なのかもしれない。

この宿の女将さんかな?


「神聖の儀っていうのは……?」

「男女が神に祝福され夫婦になる、聖なる儀式だド」

「夫婦!?」

「あんたらそういう仲だったドか」


女将さんが私とジタンとを交互に見ている。

神聖の儀って、結婚式のことだったの!

/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp