第14章 仲間になるために〜コンデヤ・パタ〜
もらったドリンクを飲み干してひと息ついた頃、入口からひょっこりとジタンが顔を覗かせた。
私が起きていることに気づくと、おっと小さく声をもらす。
「レイナ、起きてたんだな! どうだい? 調子は」
「あ、ジタン。うん、おかげさまですごく元気になったよ!」
ジタンは背後で尻尾をくゆらせながら、怪訝そうに首を傾げる。
「本当か~? 今回も平気そうな顔して、気づいたら倒れてたからな〜」
「ほ、ほんとに! ダガーが看病してくれて、クイナとビビが作ってくれたドリンク飲んだから、今はほんとにすっごく元気!」
私がむんっとちからこぶを見せると、ジタンがやれやれと言いたげな表情で笑ってくれた。
その表情に私はほっとする。
やっぱり皆に心配かけたくないって気持ちがあったから。
しかし安心したのもつかの間、ジタンはベッド脇に跪き私と目線を合わせると、少し真剣そうな顔をした。
「でもこれからはしんどい時は、ちゃんと伝えてくれよ? 仲間が辛い時には、ちゃんと助けてやりたいんだ」
あ、やっぱり心配かけてた。
ジタンの声色は子どもに優しく言いつけるようで、私はしゅんと肩を落とした。
でも……。
私の力不足を怒るわけじゃないんだ……。
「…………ごめんなさい」
伝えられた言葉はジタンらしく優しさにあふれていて、胸の内にじんわりとしたものが広がる。
「よし!」
私が俯いて謝ると、ジタンがぽんと頭に優しく手を置いてくれた。
励ましてくれてるのかな。
顔を上げると、彼のニッとした笑顔。
その笑顔を見ていると、自分の駄目さ加減に鬱々としていた気持ちが晴れるようだった。
胸がきゅっと締めつけられる。
もっと皆の役に立てるようになりたいな。
自然と前向きな気持ちになれている自分がいた。