第14章 仲間になるために〜コンデヤ・パタ〜
ジタンside.
レイナというのは不思議な子だ。
黒魔導士の村にいた唯一の人間で、オレ達が訪れたときも人間だという理由で遠巻きにしていた黒魔導士たちに説得をして回ってくれたのは彼女だった。
元々彼女は黒魔導士たちと一緒にクジャの元から逃げてきたらしい。
なのにアレクサンドリアの王女であるダガーとの昔の知り合いでもあるという。
どんなタイミングで知り合ったんだ?
ダガーは今でこそオレ達と一緒に旅をしているけど、元はと言えば王女だ。
王族と知り合うなんて、よっぽどの機会がないと難しいだろう。
しかも見ていると、ダガーとレイナの間には知り合い以上の信頼関係があるように見える。
レイナがオレ達の旅に同行しているのも、ダガーが誘ったからだ。
ますます謎が深い。
「バテたときには精のつく料理アルね!」
そう言ったクイナは、張り切った様子で商店の方へと飛んでいった。
その後を「ボ、ボクも手伝う!」と言って小走りで追いかけるビビ。
ダガーだけじゃない。
会ったばかりのクイナやビビまで、レイナのことをすでにかなり気にかけている。
ビビはともかく、常に唯我独尊なクイナが人に興味を示すのは珍しい。
まあ、レイナのことを気にしているのはオレも例外ではなく。
こうやって今も考えているわけだし。
会ったばっかなんだけど、不思議と初めて話す感じがしないんだよなあ。
かわいい子だし、会った事があったらオレが忘れるわけがないんだけど。