• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第13章 いつか帰るところ~黒魔導士の村~



「そういえばクジャ……この大陸には霧を送り出す秘密があるって……」

「そう言ったのを聞いたのか?」

「うん」


クジャは結構話したがり屋で、私の知らない話もぺらぺらと話していた。

情報収集だ! と思って聞き流しているふりをしながら、よく聞いていたから間違いない。


聞いた当初は霧の大陸にいると思ってたから、霧の大陸に霧を発生源があるんだ、ふーん。

くらいに思ってたけど、外側の大陸にいるとわかると、また話が変わってくる。


霧の大陸と外側の大陸は海を隔てた場所にある。

異なる大陸に霧の発生源があるって、いったいどういうことなんだろう。


「霧を送り出す秘密の場所と”聖地”……何か関係がありそうだな」

「きっとそこにいけば、手掛かりが……そうすれば、お母さまも……」

「そうだな……」


当面の目標はコンデヤ・パタの先にある”聖地”らしい。

そこにクジャも現れるのかな。

私の目的はクジャとの和解。

彼と会うことを考えると、うまくいくかどうか緊張してしまう。


ブラネ女王のことを考えていたのか顔を影らせていたダガーだったが、ふと思いついたようにきょろきょろと顔をあげた。


「あれ? そういえば、ビビは?」


そういえば私がここに来る間も見かけてない。

ジタンも分からないというように肩をくいっとあげる。


「もしビビがここに残るっていったら……」


そっか、ここは黒魔導士の村。

ずっと黒魔導士であることに悩んでいたビビにとって、ここは仲間を見つけられた場所なんだ。

ビビにとっての『いつか帰るところ』はここになるかもしれない。


せっかくビビとも再会できたのに、お別れになったら寂しい……けど仕方なのかな……。

/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp