第13章 いつか帰るところ~黒魔導士の村~
「あ、えっとね……ダガー?」
どうしよう~~、と内心汗をかく。
すると、そこにちょうどよく「おーい」とやってくる声はジタン。
「朝からお熱いことで……知り合いってのは本当だったみたいだな」
「あ、ジタン!」
「オレの名前知ってたんだな」
「うん、ダガーに教えてもらったの、ね!」
ダガーに同意を求めると、ようやくお別れ(仮)の抱擁から解放された。
話がややこしくなる前に話を切り出すべし!
ということで、私はさっそく件の内容を単刀直入に二人に伝える。
「あの……私も一緒に行かせてください!」
「レイナ! 一緒に来てくれるの?」
私のお願いにすぐに反応したのはダガーだった。
「うん、色々考えて私も一緒に行きたいなって。クジャのこともあるし、お兄ちゃんのことも気になるし」
そういうと、嬉しそうに顔をほころばせるダガー。
良かった。
すごく喜んでくれたみたい。
「あの、迷惑じゃないかな?」
ダガーは喜んでくれたとは言え、私は戦闘に自信があるわけでもない。
こんな非力そうな人間が付いていくなんてジタンには迷惑に思われるかも、と彼の方を見てみると快く頷いてくれた。
「かわいい女の子が増えるのはいつだって大歓迎さ!」
そんな彼らしいジョークを交えながら。
ほっと一安心。
「ところで……これから行く先は決まってるの?」
「村のやつらが、この大陸の北西で銀色の竜を見たって言ってたんだ」
「コンデヤ・パタでドワーフのひとたちも行ってたわ、出入りを制限されている”聖地”があるって。それで北西にいくために、もう一度コンデヤパタに戻ろうと思ってるの」
「聖地……」
二人の言葉に、私も思い出すことがあった。