第12章 安息の地を求めて
「レイナ!?」
「あ、ユウ! ……だよね?」
「レイナーーー!!」
さっきのことがあるので少々懐疑的に呼びかけると、そんな私の様子を気に留めることなく彼は飛びついてきた。
「目さましてよかった! なかなかおきないから、しんぱいしてたんだよ!」
「心配かけてごめんね……」
私の胸の中でわあわあと泣くユウの背中をさすっていると、パタパタと複数の足音が続いて部屋の中に入ってきた。
驚いたことに、現れた彼らの姿は皆同じだった。
とんがり帽子に、紫色のジャケット、白のズボン。
皆ユウとサウスと同じ格好。
いち、にぃ、さんにん。
ここにいるのがユウで、あと一人サウスがあの中にいるとして。
残り二人の黒魔道士は……。
「レイナ……無事でよかった」
たぶんサウスかな?
こちらに駆けよってきて、ほっとしたように息を吐きだす。
カツリと音が響く。
サウスと一緒にやってきた黒魔導士の内の一人。
柄が長い金属の杖を持った一人が、代表するように一歩こちらに近づく。
「そこの二人にはもう説明したけど、荒れ地で行き倒れていた君たちを僕たちの仲間がここに連れてきたんだ」
私達は長いこと地下を歩き続けて、なんとか地上にでることができた。
久しぶりの日の光を眩しく思った記憶はある。
けど覚えているのはそこまで。
ちゃんと休まずろくに食事もとらず歩き続けていたから、たぶん地上にでたところで力尽きてしまったんだろう。
「あなたの仲間に助けられたんですね。ありがとうございます……それにしてもここは? それにあなたたちは……」
さっきまで私の腕のなかでめそめそしていたユウが飛び起きた。
「レイナ、あのね、ここは黒魔導士の村なんだって! ぼくたちと同じ、みんなクジャからにげてきたんだって!」