第12章 安息の地を求めて
no side.
吹き抜ける風は、細かい土の粒を含んでいた。
荒れた大地に倒れ込む三つの影。
銀髪の少女ととんがり帽子を被った二人。
見覚えのあるとんがり帽子を見つけた彼は心臓が跳ねる。
近づいて呼吸を確認すると、わずかにだが口から息が漏れていた。
三人とも生きている。
が、このまま放っておけば息絶えてしまうのも時間の問題だろう。
ここら一帯にモンスターがうろついているのもあるが、それだけ彼らは衰弱していた。
「…………」
彼らをこのまま置いて行くか否か。
悩むまでもない。
この帽子を見かけて無視できる者は自分たちの仲間にはいないのではないだろうか。
彼は一人ずつ持ち上げると、帰路を急いだ。