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王女様に祝福を【FFIX】

第2章 家出騒動




「し、しまった! 思いつきで知らないわざをだすものではないのだ!」
 

えっ、いや、そんなことより……!!

 
「なにこれ、ゴ〇ブリ!?!? いやあああっっ!!」
 
 
夏になると台所あたりでよく見る、カサカサとしたあいつらだ。

やつらが長い触覚を振り回して私に飛びかかってくる。

なんか地球のより大きいんだけど!?
 

「いやっ!! 来ないでっっ! ほんとムリだからああ!!!」
 
 
涙目で逃げるも、部屋のそこら中に飛び回っていて逃げ場がない。


だめ、これだけはほんとムリ!!

生理的にムリ。

見た目的にムリ。

動き的にムリ。

全体的にムリなのお!!!!!
 

『レイナ! いったん落ち着いて……』
 

ムリぃぃいい!!


ガーネットの言葉も露知らず。

ドンッとぶつかった物に、私は縋りつく。

せめて顔面だけは死守しようという魂胆だ。

今フードかぶってるし、ローブかぶってるし、長ズボンだし、グローブつけてるし、唯一露出している顔を守れば大丈夫なはず。

スタイナーまじで許すまじ。
 

「えーと……ガーネット姫さま?」
 

心の中で悶々と恨みつらみを唱えていると、ふいに焦ったような声が降ってきた。
 

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