第2章 家出騒動
シナの動きに習って、何かの機械に着地して下りていく私達。
これ、上手くいったの奇跡だよ。
元の運動不足な身体だったら間違いなく無理だった……
「なかなか身軽だなあ、お姫さま! 思わずホレちまいそうだぜっ!!」
無事に終わってほっとしているところに、ジタンがそんな軟派な言葉をかけてきたのでビクッとしてしまう。
そういうの、慣れないから困るんだって。
「じょ、冗談もほどほどに、行きましょう」
ふいと視線をそらして歩き出すと、ジタンが楽しそうに笑った。
うーん、照れる……
どうやらこの部屋はエンジンルームのようで、強く断続的に鳴り響く音は中央に居座るエンジンから出ているようだ。
ちなみに私達が足場にした、あの機械もエンジン。
左手に隣の部屋へと続く通路があるようなので、ジタンを先頭に私達はそこへ走っていく。
これからどうするのかな、と思っていれば、「芝居を終わらせないといけないずら」とシナが教えてくれた。
なるほど。
「おっと!」
先頭を走っていたジタンが突然立ち止まった。
必然的に、ジタンの後に続いていた私達も足を止める。
どうしたのかな。
ジタンの肩越しに向こうを見ると、仁王立ちで立ちはだかるスタイナーがいた。
「姫さま! このスタイナーがお助けに参上いたしましたぞ!」
助けに……?
その言葉に少し違和感を覚える。
……そっか、お城の皆はガーネットが誘拐されたと思っているんだ。
ジタン達に少し罪悪感を抱きながら後ずさりすると、背後からもプルート隊員が現れた。
挟み撃ちだ。
どうしよう。
「いいぞ~! プルート隊、始まって以来のチームワークだ!!」
その事実はどうかと思うけど……
挟み撃ちはまずい。