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王女様に祝福を【FFIX】

第9章 眠らない街~トレノ~




真っ暗な縦穴を下りていく。

塔の高さ分、いや、もしかしたらそれ以上。

とにかくずっと続く鉄ハシゴを下りていった。

慎重に足を滑らせないように。

長い長い鉄ハシゴを下りると、開けた空間があった。

 
「ここがガルガン・ルー。いにしえのアレクサンドリアと、トレノを結んだ機関でございます」
 
「なんで塔の地下にこんなものがあるっス?」
 
「まだ飛空艇技術も発達していなかった、古代アレクサンドリアで利用されていたものです。塔の地下に作られたのではなく、この機関の上に塔が建ったのですな」


ここは明かりのついたホールのような場所なのだけど、照らされた壁などは崩れたりしておらず真新しい。

古代アレクサンドリア……って言うくらいだからきっとずいぶん昔のことなんだと思うんだけど、その頃から使っていたようには見えないよね……

私達の懐疑的な視線に気づいたのか、トット先生は補足するようにつけたした。
 
 
「ビショップ家の主人にはここのことを教えて改修を進言しました」

「そうだったのね」

「ええ、ですが実はその後一回も使っておらず……まずは連結変換してガルガントを中に引き込まねばならないのですが……連結変換レバーはどちらでしたかな?」
 
「何やらよくはわかりませんが、要はその連結なんたらを探せばよいのですな! 姫さま、参りましょう!」
 

スタイナーがはりきっている。

もうすぐアレクサンドリア城にダガーを連れて行けるからだろうか。


ホールからは二つ道がのびていた。

片方ずつ確認していくしかないだろう。



薄暗いトンネルを抜けると地下鉄のホームのような場所に出た。

本来であれば線路がひかれている空間には、その天上につたのようなものがのびている。

けっこう太いから木の根にも見える。


「霧が……」


あたりは薄く霧がかっていて視界が悪い。

ギャーウとモンスターの鳴き声まで聞こえてくる。


「実はここら一帯がモンスターの巣窟になっておりまして……」

「姫さま……じゅうぶん気をつけてまいりましょう」

「ええ、そうね」


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