第9章 眠らない街~トレノ~
「ねえトット先生、これは?」
ガーネットはテーブル席の上に置かれた球体を指さす。
「これはガイア儀……われらの暮らす星を模したものです」
「がいあ……ぎ? あた……じゃなくて、わたくしたち、こんな丸っこいお城の中に住んでるの?」
姫君の可愛らしい疑問にトットは微笑ましい気持ちになった。
「ほっほっ……中ではございません。外に住んでいるのですよ」
ガーネットは首を傾ける。
と、今の会話で何かを思いついたのか、トットが再びぶつぶつと呟き始めた。
しばらくして、彼女に退屈な思いをさせていると気づいたトットがハッと顔を上げる。
「……おお! 姫さま、もうしわけありません!どうもまた悪いくせが……」
「ううん、いいの……ね、それじゃあ、これのどこにあたしのお部屋はあるの?」
「むむ、そのような細かい場所はこれでは……」
「じゃあじゃあこのお城は?」
「それでしたら……」
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