第9章 眠らない街~トレノ~
水辺を横目にしばらく歩いていると、一際目につく建物が現れた。
建物の前には広場まであり、その建物の規模の大きさがわかる。
「あっ、ここ武器屋だわ。タイチに合う武器が見つかるかも」
さっそく店内に入ってみると、すぐにけたたましいモンスターの鳴き声が聞こえた。
「うわっ、なんでこんな所にモンスターが?」
地面が金網状になっており、その下に鳥型の巨大なモンスターが捕えられている。
私達はおそるおそるその上を歩いてカウンターまでいくと、さっそく店番をしていたおばあさんにそのことを尋ねた。
「ああ、ここナイト家の主人はそこにモンスターを飼っててね。強がった冒険者に挑戦させてコテンパンにするのが趣味なのさ。あんたも挑戦するかい? 挑戦できるのは一人ずつだが、見事倒せば賞金がもらえるよ」
おばあさんに目を向けられたお兄ちゃんは冷や汗をたらし、顔を青くさせた。
お金を稼いで少しでも早くダガーに返金したいけど、こんなモンスターと一人で戦うなんて無理だ、とその顔は語っている。