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王女様に祝福を【FFIX】

第8章 遭遇




久しぶりの再会にマーカス達と話に花を咲かせつつ、放心状態から多少立ち直ったお兄ちゃんにこれまでの経緯をかいつまんで説明していれば、鉄馬車の重いエンジン音が響いた。


「アレクサンドリア方面行き~。ただいま到着いたしましたぁ~!」
 
「どうやら到着したみたいずら!!」
 
「二人もアレクサンドリアに?」
 
 
ダガーが尋ねると、どうやらシナはリンドブルムへ、マーカスはトレノへ向かうらしい。


「マーカスもトレノに行くのね……」
 
「見送りに行ってやるずら!」
 
 
そう言って休憩所を出ていくマーカスとシナを追いかけるように、私達もアレクサンドリア方面の鉄馬車へと向かう。
 

外に出ると、来た時とは反対の線路に同じ装甲の鉄馬車が悠然と待ち構えている。

先に乗り込んでいるのかマリーちゃんの姿は見当たらない。
 

「それでは気をつけて行って来いずら」
 
「わかったっス。必ず兄キを助けて来るっス!」
 
 
鉄馬車の前でシナとマーカスがそんなやり取りをしている。

兄キって誰のことだろう。

鉄馬車に乗り込むマーカスの背中を横目に、タンタラスの団員達を思い浮かべる。


「ねえ、マーカスは何のためにトレノに?」
 
「お姫さまもトレノに行くずら? マーカスはトレノでひと仕事あるずら」
 
「ひと仕事って……」
 
「アレクサンドリア行き、出発しますよ」
 
「お姫さまも早く乗ったほうがいいずら」
 
 
車掌さんも急かすようにこちらを見ている。

気になることはマーカス本人に聞けばいいか。

私達が急いで鉄馬車に乗り込むと、発車の合図である汽笛が鳴り響いた。
 

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