• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第8章 遭遇




今後の予定を確認するとかでスタイナーとは大きな地図の前で別れた。

私達はさっきから気になっていた甘い香りに素直に誘われて、フードコートの一角にやってくる。
 

「南ゲートのまんまるカステラ! 輪っかに切れば太陽の笑顔。ふたつに切れば虹のかけ橋! 世界のかけ橋、南ゲートの味のかけ橋、まんまるカステラ!!」
 
「これが南ゲートの名物、“まんまるカステラ”ね。美味しそうだわ」
 
「やあ、いらっしゃい。何のごよう?」
 
「まんまるカステラを二ついただけるかしら?」
 
 
当たり前に二つ注文したダガーだったけれど、お兄ちゃんが気まずげにそれを遮った。
 

「俺は金持ってないからいいよ。ダガーちゃんだけ食べて」
 
「そんな遠慮することないのに」
 
「いや、これ以上払ってもらうのは、さすがにその……」
 
 
そう言うお兄ちゃんはとてつもなくバツが悪そうな顔をしていた。

惚れた女の子のヒモになるってツラいだろうなぁ。

強制的に無一文になった事情を知っているだけに、かわいそうに思えてくる。
 

/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp