• テキストサイズ

王女様に祝福を【FFIX】

第8章 遭遇




「タイチ殿、その指の豆はなんであるか? 一朝一夕にできたものではないようだが……」
 
「ああ、俺少し前までずっとピッチャーをやってたんです」
 
「ピッチャー?」
 
「え~と、あれだ、手のひらサイズのボールを投げる競技みたいなもの。だから投球には自信あるぜ」
 
「だったら投擲武器はどうかしら? 円月輪とか、ナイフやダガーでもいいわね。武器を投げて攻撃するのよ」
 
「それいいな。剣なんかよりよっぽど俺にむいてる気がする」
 
「じゃあ、それで決まりね!」
 
 
ダガーは一つ頷くと店主に声をかけ、次々と注文の品を口にした。

ほどなくして、店主が奥から装備を取り出し終える。
 

「ナイフ十本、ダガー十本、円月輪十個、それにレザープレート、ホルスター、グローブ。合わせて11,350ギルね」
 
 
店主の告げた金額にお兄ちゃんは顔を青くさせた。

彼は持ち金がないためダガーに立て替えてもらうことにはなっていたのだけど、改めて聞くとその金額の高さにおののいたのだろう。

私のこれまでの経験だと1ギルが10円くらいだから、日本円換算するとその金額は10万円以上になる。
 

「ごめん、絶対返すから!」
 
「わたしは別に返してもらわなくてもいいんだけど」
 
「いや、けっこうな金額だったろ。出世払いでもなんでも絶対に返すよ」

「そう? だったらタイチには戦闘で頑張ってもらわないとね!」
 
「いや、うーん……まぁ、頑張らないとな」
 
 
青い表情のままのタイチを見て、ダガーはくすりと笑った。
 


/ 389ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp