第8章 遭遇
賑やかな通りに出てしばらく進むと、大きな鉄馬車が姿を現した。
「わぁっ……!」
車両数は一両だけのようだけど黒光りする車体は立派で、高さだけで言えば日本の電車よりもずっと大きい。
先頭に取り付けられた金馬のオブジェが見事。
「これで山頂まで行けるのね……山頂の向こうはもうアレクサンドリアなんでしょ?」
リンドブルムを出た私達は南ゲートまでやってきていた。
南ゲートを越えるとすぐに鉄馬車ベルクメアのボーデン駅がある。
この鉄馬車というのがアレクサンドリア領まで繋がっていて、私達はこれを利用してアレクサンドリアまで行こうと考えている。
「……私達だけでも、ここまで来ることができたわ……」
アレクサンドリアからの旅にはいたジタンとビビはもういない。
そのため道中で出会うモンスターとの戦闘は、騎士であるスタイナーと白魔法を使えるダガーだけでは厳しいものではあったけれど、そのおかげか二人の戦闘の腕はめきめきと上達していた。
この調子なら、特に問題なくアレクサンドリア城まで行けるじゃないかな。