第7章 交差する思い〜リンドブルム〜
狩猟祭の簡易な表彰式は身内だけで行われた。
「いや〜、実に見事だったブリ」
「137ポイントで優勝です!」
「望みの品とハンターのしょうごうを与えるブリ!」
玉座の傍らに控えていたオルベルタさんが布に包まれた物を渡す。
うやうやしく受け取るのは、フライヤさんだ。
結局あの後ザグナルを時間内に倒すことは叶わず、またザグナルと戦っている間に一位の変動もなかったのでフライヤさんが優勝者となったのだった。
別にジタンとデートできなくて残念だなんてことは思ってない。
ないったらない。
「まいったよ、フライヤ」
「これも修行の成果じゃ」
ジタンとフライヤさんがお互いを讃えあっていると、後ろからズルズルと引きずるような音が聞こえた。
突然の不穏な気配に振り返ると、全身から血を流した一人の男が大公の間に入ってきていた。
全身の肌が薄青いのは種族柄のものなのか、私には判別できないけれど、彼がひどい状態にあるのは確かだろう。
彼の歩いた道には血の跡が残っている。
それだけの血を失って生きているのが不思議なほどに、彼の身体からは血がしたたっている。
とにかく、ひどい怪我だった。
めをそらしたくなる。
見ているこちらの血の気も引いてしまうような者の訪問に、私達は一時言葉を失った。