第7章 交差する思い〜リンドブルム〜
一位が入れ替わるごとに入るアナウンスによると、今トップのポイントを稼いでいるのは、フライヤさんのようだった。
彼女は竜騎士らしく、槍を使って戦うのだけど、その跳躍力がハンパじゃない。
高く飛び上がり、落下の勢いで槍を突き立てれば、たいていのモンスターはそれだけで絶命してしまう。
『ジタンとの約束では、彼が優勝したら、だったわよね。レイナ、応援しなくていいの?』
ふいにからかうようなダガーの声が響いた。
私は反射的に『だから違うってば!』と否定の言葉を放つ。
『あら、違うの?』
ダガーにはっきりと違うのか、と聞かれてしまえば、私はたじろいでしまう。
正直、自分の気持ちがよくわからなかった。
たしかに、ジタンのことは嫌いなんかじゃない。
むしろ全然好きだ。
だけど、それが異性として好きなのかどうかわからない。
『……よくわからない。男の人好きになったこととかないし。ジタンの見た目がかっこいいから、ドキドキしちゃうだけかもしれないし』
私が正直な気持ちを話せば、ダガーもうなってしまう。
彼女も男性経験はないらしい。
初な二人がそろって考えたって答えなんて出るわけがない。
その点で言うと、フライヤさんは経験豊富そうだ。
彼女に相談したらいい答えがもらえるかな? と考えたけど、そんなこと恥ずかしくてできないな、と思い直した。