第7章 交差する思い〜リンドブルム〜
ガーネットside.
お母さまの異変を感じて、リンドブルムへ行こうと決めて、正直に言うととても不安だった。
一人だったわたしの元へ予想外にもレイナがやって来て、彼女がその不安を和らげてくれていたというのはもちろんあったけれど、それでもおじさまが味方なのだと思えば、深い安心感に包まれるのだった。
そのせいか、今まで張っていたものがボロボロとはがれてくる。
「ダリ村で黒魔道士を見てしまったんです。心を持たない、魔力で動くゴーレムを……しかもアレクサンドリアの管理下で、黒魔道士兵軍団がつくられていたんです。ビビとの関係はわからないけど、もしお母さまがあの黒魔道士軍団を使ったら……」
「そうなる前にワシから手を打とう」
わたしが道中で見た様々な懸念を話せば、おじさまは再び大きく頷いてくれる。
「それに、たとえ黒魔道士軍団があったとしても、我らの飛空艇団がある限りむこうも動かんブリ。あとはこのワシに任せるブリ」
一国の長。
その存在は大きい。
わたしは玉座の前に膝を付くと、頭を垂れた。
「お願いします。おじさま」
「これこれ、よさんか。かしこまる必要はないブリ。ワシはこの国の君主としてではなく、おじさまとして姫に力をかすブリよ」
「ありがとう。おじさま」
わたしは噛み締めるように、感謝の意を伝えるのだった。