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王女様に祝福を【FFIX】

第7章 交差する思い〜リンドブルム〜



ガーネットside.



レイナのことは様子を見るということで話は落ち着き、話題はいよいよお母さまの事へと移っていった。


「最近では城に怪しげな者の出入りが目立ち、わたしともあまり口をきいてくれなくなりました。なにかを始めようとしているんです。お母さまはなにか、とても恐ろしいことを……でもアレクサンドリア城の者は、誰もお母さまを疑おうとはしないんです。皆、わたしがそんなことを言うのは、父親をなくしたからだろうと……」

「それで、父上の親友であった、このワシを頼ろうと思ったブリな」

「はい、お母さまもおじさまの話にならばきっと耳をかしてくださると思って……リンドブルムから劇場艇が来る時を待っていたんです。偶然にもその劇場艇にはわたしを誘拐しようと、タンタラス団のみなさんが乗っていて……」


わたしが事のあらましを話せば、おじさまは突然、思ってもみない事実を打ち明けた。


「うむ、タンタラスに姫の誘拐を依頼したのは他でもない、このワシブリ」

「えっ?」


それはかなりの衝撃だった。

ここまでわたしに協力してくれていたレイナ自身も衝撃を受けたのか『どういうこと!?』と驚きを顕にしている。

彼女の発した言葉は今のわたしの気持ちをそのままに表しており、まさか一国の長が盗賊団に誘拐を頼んでいたとは誰が予想できるだろう。

わたしの驚愕した表情を見て、おじさまは玉座の上に静かに立ち上がり、どこか遠くへ視線を流した。


「アレクサンドリア王と約束をしたブリ。もしなにかあったら姫はワシが助けると。我々もアレクサンドリアの近頃の不穏な動きを早々に察知していたブリ。しかしこのワシが直接動いたとなれば、戦争のきっかけをつくってしまうブリ」


狭い玉座の上を、おじさまはぐるぐると歩きながら話し続ける。


「バクーとワシはワケありの仲でな。今回はヤツに一肌脱いでもらったのだブリ。劇団タンタラスが姫を誘拐、劇場艇に乗って姿をくらまし、ガーネット姫も行方知れず!! 今のアレクサンドリアは我々に助けを求めてくることはないブリ。目立つ行動をとらなければ、向こうには気づかれないブリ」


途中で身振り手振りを加えて、最後は大きく頷いてわたしを見る。

その瞳はブリ虫のものであるけれど、わたしの事を思いやるような慈しみの心を感じられた。



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