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王女様に祝福を【FFIX】

第7章 交差する思い〜リンドブルム〜




鎧を着た兵士は、ハハッと乾いた笑い声をたて、生暖かい瞳をこちらに向けてきた。

 
「一国の姫君がそのようなボロ船に乗ってくるわけがありませぬ! だいいち、姫さまの御付きがこのメンツとは……」
 
「な、なにを言うか、無礼ではないか! 姫さまはお忍びでここに来られたのだっ!」
 
「では、なにか王族であるという証をお持ちですかな?」
 
 
なるほど……ここで、あのペンダントの登場だね?
 

兵士の試すような目に私は頷いてみせると、胸元のペンダントを手のひらに乗せる。

上官兵士は私の手元をじろりと覗き込み、それから驚いたように顎を引いた。
 

「こ、このペンダントは……天竜の爪……!? ……いや、似ているが、形が違うようだ……オルベルタ様をお呼びしろ!」
 
 
すぐに隣の兵士に指示を出し、指示を受けた下級兵士は後ろに駆けていった。
 
私達を見る兵士の目が変わったようだ。
 
何気なく身につけていたけれど、このペンダントにはそれだけの力があるんだね。
 

『そのペンダントは国宝ですからね』
 
 
国宝……今からでも、ポーチとかにしまった方がいいんじゃ……。
 
私が今さらながら少市民らしく狼狽えると、ダガーは軽い笑い声をたてた。

 
『ふふっ……案外首にかけていた方が安全なものよ。それにその宝石は、ちょっとやそっとの事では割れないわ』


その余裕ぶりに、自分との格の違いを感じた。

さすが王女様。
 
 
後ろで繰り広げられる、スタイナーとジタンの紳士的に見えるか見えないかの論争を聞いていると、高級そうな服装を身にまとった初老の男性がやってきた。

あれがオルベルタさんだろうか。

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