第7章 交差する思い〜リンドブルム〜
順路に従い城内にカーゴシップを泊めると、私達は船から降りた。
久しぶりの地面に、ちょっと身体がふわふわする。
「おっきなお城なんだね……アレクサンドリア城よりも大きいかも……」
「そりゃそうさ、ビビ! 天下のリンドブルム城だからな!」
天上は飛び抜けて高く、城の大きさがうかがえる。
降り立ったホールでおのぼりさんのようにきょろきょろと視線を動かしてしまう。
「城の中に飛空艇ポートがあるとは……ブラネ様のレッドローズでさえすっぽりと入ってしまう大きさではないか」
スタイナーなんか、口をぽかーんと開けながら上を見ている。
『ついに、ここまで来たのね……』
ダガーが感慨深げな声をだす。
ダガーはリンドブルムには来たことあるの?
『ええ、小さいときに何回か……でもお父さまが亡くなってから来るのは初めてだわ』
それから、ダガーは再び息をはいた。
「おっと、早速お迎えですぜ、お姫様!」
ジタンの声で、三名の兵士がやって来たことに私も気がついた。
アレクサンドリア兵とはずいぶん恰好が違うみたいで、三人の内、二人のリンドブルムの兵士は、ぱっと見た印象がまるでトランプ兵のようだった。
手には長い槍──いや、先端についている刃がピッケルのように途中で曲がっているから……うーん、なんて言う武器なんだろう──を持っている。
対して三人の中で一番偉そうな兵士は、全身を銅色の鎧に包んでいた。
持っている武器は三人とも同じものだ。
「これはまたずいぶんと型の古いカーゴシップですな」
やはり真ん中の鎧に身を包んでいる兵士が彼らの上官なのか、代表して彼が口を開く。
私はううん、と小さく喉をならしてから、一歩前に出た。
「わたくしはアレクサンドリア王国の王女、ガーネット=ティル=アレクサンドロスです。シド大公殿に会いに参りました」