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王女様に祝福を【FFIX】

第6章 放たれた刺客〜カーゴシップ〜



ジタンside.



風圧をともなう熱気。

共に打ち消し合ったと思われたそれらだが、3号の魔力がわずかに勝っていたようだ。

 
「うぐっ」
 

襲いかかる雷光に、ビビは吹き飛ばされ後方へ転がっていった。

衝撃の合間をぬって近づいたオレは、ヤツの懐をダガーで横薙ぎにする。

確かな手応え。

うめき声をあげる3号にスタイナーが続くが、杖で防がれた。


おっさんの剣筋は大ぶりだから、素早い相手とは相性が悪い。

けど当たれば大撃。

オレは素早さには自信があるが、一撃一撃がどうしても弱くなってしまう。


船上での戦闘。

あまり長引かせなくはない。

ここは、ビビとおっさんのコンビネーション技で一気に片を付けたいところだけど……。


ちらりと振り返るとビビは立ち上がり、新たな呪文を詠唱し始めていた。

よし。

おっさんに耳うちをして、オレは3号を引きつけるために大げさに攻撃を繰り出す。

大振りされる杖を間近で避けつつ、再び攻撃を入れる。

 
「ちょこまかと……こざかしい! 戯れはここまでだ!」
 

苛立つ3号は左手にスパークを作り始める。

モーションのかかる、相手の大技。

ヤツが高く飛び上がろうとするのを、相手の身体に刃を突き立てることで止め、オレは叫ぶ。
 

「今だ!!」
 
「ぅぉぉおお!!!」
 

騎士剣に炎のうねりがまとっている。

おっさんは、これを魔法剣と呼んでいたか。

殺傷能力の高さは折り紙つき。


ギリギリのタイミングでダガーを引き抜いてやると、その炎の剣は3号の肩口から腰までを一直線に切りつけた。

3号は顔を歪め、ゆるりと後ずさる。
 

「ぐっ…………遊びはここまでだ、格の違いを教えてやる!!」
 

暗闇から覗く、蒼白い瞳がギラつく。

左手に展開していた巨大なスパークは、スタイナーの攻撃に崩れることはなかったようで、3号の意思の元に弾け飛んだ。

網の目のように船上を走る電光に逃げ場はない。

脳ずいを焼き切るような感覚に、思わず膝をついた。
 

まずい。

おっさんの防具は特に魔法耐性が低かったはず。

今の一撃でかなりのダメージを負ったのではないか?
 
まだ動けるオレが、ヤツを引きつけないと……!




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