第6章 放たれた刺客〜カーゴシップ〜
ジタンside.
「どうして!? どうしてあんなにひどいことを……仲間じゃないの!?」
「あのような下等なやつらと区別がつかんとは、貴様もまた愚か者というわけか!!」
「仲間でなかったとしても! お主のしたことは許しがたい!!」
「黒魔道士兵など、ものの数ではないわ!」
オレがその場に着くと、激しい言葉の応酬がされていた。
今はまだ戦闘状態には入っていないみたいだが、ビビとスタイナーからはピリピリとした殺気が放たれている。
いつ攻撃を仕掛けてもおかしくはない。
オレは懐からダガーを抜き、逆手に構える。
「おまえら、一体何者なんだ?」
「ほう……とりまきがそろったか。これは好都合だ」
空中に浮かぶヤツはよっぽど余裕があるのか、多勢になるにも関わらず、オレ達全員が集まるのを待っていたようだ。
なめられたもんだ。
「答えないつもりか!?」
「死にゆく貴様らが、何を知ってもムダであろう?」
黒のワルツ3号と名乗ったヤツは笑い声を上げ、先ほど船を攻撃した時のように、手のひらに雷電のエネルギーを蓄え始める。
対抗するかのように、ビビもエネルギーを蓄え始めた。
青白い閃光が、赤い炎が、徐々に大きくなる。
予感がした。
二人の魔法の衝突が、この戦いの開始の合図になる。
「任務をじゃまするものは、全て排除する!!」
高らかな笑い声と共に、突き出された手のひらから、青白い閃光が。
「……うわぁああ!!」
呼応するようなビビの叫び声と共に、炎のうねりが。
猛スピードで放たれ、空中で激しくぶつかった。