第6章 放たれた刺客〜カーゴシップ〜
船上は青い光に支配された。
吹き飛ばされる身体。
弾け飛ぶ荷物。
積荷の樽はバラバラに壊れ、中からこぼれ出た人形達の身体が空中を舞い散る。
「…………っ!」
小屋の中で息を飲んでいたビビは、ガラス窓に張りつく。
そこからは落ちていく彼ら、黒魔道士達の姿が克明に臨めた。
スパークする。
蒼白い光が、頭を埋め尽くす。
高笑いが聞こえた。
空中に浮かび、まるでこれが喜劇だとでも言うかのように、彼は笑う。
一面のガラスは圧力に耐えかねたように崩れ、ビビは力なく後ずさりした。