第6章 放たれた刺客〜カーゴシップ〜
どうしよう。
私達二人では分が悪い。
どうにかジタン達と合流できないかな……
悩む私の横を、コツコツと複数の足音が通る。
見ると、あの従業員達だった。
「まさか、かばうつもりか?」
彼らは私達を振り返って、頷いた。
まるで、ここは任せろとでも言うかのように。
さっきはビビが呼びかけても、何の反応も見せなかったのに……
「ありがとう……!」
それでも、ありがたい。
ビビの腕をとって私達は後方へ逃げた。
「……気にいらん。何も考えられないただの作り物が、一人前に小僧を守ろうというのか?」
ガラス張りの部屋の向こう側には、やっぱりジタンとスタイナーの姿があった。
振り返ると、私達をかばってくれた彼らが、ファイアの呪文を唱えており、次々とその手のひらに炎が集まっていく。
「ええい、そこをどけ! この黒のワルツに逆らうつもりか!」
3号さんが肩を怒らせる。
水色の羽根が、バサリと動く。
身の丈ほどの杖を振り回したかと思うと、3号さんは手のひらの青い閃光を掲げた。
「おのれ! 黒魔道士兵ふぜいがっ!!」
黒魔道士……兵……?
そんな疑問に答えを出す暇もなく、
閃光が弾けた。