第6章 放たれた刺客〜カーゴシップ〜
「間違いなく、アレクサンドリア城行きだろうな」
「うそっ、なんで!? ジタンも乗ろうって!!」
まさかジタンまでアレクサンドリアに連れ戻す気になったのでは、と身構えれば、ジタンは「大丈夫、任せとけって!」と胸を叩く。
『ジタン、どうするつもりなのかしら……』
わからない、それにダガー……どうしよう。
このままこの船に乗ってもいいのかな?
『…………』
ダガーも悩んでいるようだった。
「……ジタン」
「どうした、ビビ?」
今まで黙っていたビビが口を開く。
顔を上げたと思ったら、また俯いて、帽子を触ったと思ったら、また顔を上げた。
「…………村の地下で作られてたお人形って……ボクにそっくりじゃなかった?」
私達は、言葉に詰まる。
「そうでもないぜ、人形は人形さ。それより、気にしすぎてコケないようにしろよ?」
サラリと受け流すようなジタンの答えにほっとしていると、エンジンの稼働音が響きだした。
飛空艇が振動し始める。
「動き出した……」
「おっさん、なにやってるんだ? 仕方がない。乗ろう、ダガー!」
「リンドブルムに行かない船に、乗るの?」
「説明してる時間がなさそうだ」
船内へと続くハシゴの元まで行くと、ジタンが手招きする。
「こっちこっち!」
ビビがハシゴを上るのを確認して、再び私にも手招きする、けど……。