第5章 風車小屋に隠された秘密〜ダリ村〜
開けた空間。
目に映るのは、大量の、人の形をしたもの。
生産ラインの途中だといわんばかりのレーン。
そこにぶら下がり、同じ姿、形をしたものが、目の前を流れていく。
なにこれ……人形、だよね?
「なに、これっ!?」
「……こいつはこまかいところは違うけど……」
ビビにそっくりだった。
かぶったとんがり帽子、その隙間の黒からのぞく金ピカの瞳。
ジャケットを着て、グローブを付けて、ズボン、靴を履いて…………服のデザインは多少違えど、それはビビと同種族だと疑いもしないほど、そっくりだった。
「な、なに……これ」
ビビが後ずさる。
「……人……形?」
よろめきそうなビビの身体を慌てて支えると、その肩はわなないていた。
どういうこと?
私達は、タマゴのようなものを追っていたはずで。
つまりは、この人形こそが、生み出されたタマゴを元として作られたものだというの?
『そんな……これを……お母さま……が?』
呟くダガーの言葉に、ハッとする。
そうだ、これがアレクサンドリア城と関係があるかもしれないんだ。
ということは、これを、ブラネ女王が作らせている……?